石田 誠  南蛮の器 展 vol.3

2007/3/24(土)−31(土) (会期中無休)
[作家在店日24・25]

ここ数年、南蛮焼き締めに加え、
白磁と紅毛手の制作にも取り組む石田さん。
どのやきものも、簡素な造形の中に、
生き生きとした豊かな表情をもっています。
原種だという花がもつような、[無垢なもの]を
石田さんの器に感じたりします。

今年で3回目となる石田さんの個展です。

展覧会のご案内状には、石田さんを訪ね、
薪窯の窯詰めの様子をお伝えすると、
お知らせさせていただいたのですが、
運悪く(?)、窯詰めが少し延期となり、
このページの内容も変更となりました。
楽しみにして下さっていた方には
申し訳ありませんが、何卒ご了承下さい。

石田さんは、店主が松山(工房がある)を訪れる事を、[パトロール]と称しています。(時に偵察とも。人聞きが悪いです。)
「何か変わったことはないかね?」と自転車でもこがなくてはならない気分になります。
石田さんの制作風景など覗かせていただいてます。[パトロール]の様子を少しだけご紹介いたします。

展覧会にご用意いただけるものは、大半が出来上がっていましたが、
今回、新たな試みのやきものをご紹介して下さるそうで、そのやきもの
の為に、ご近所にあるものを採取しに行かれたそうなんです。
それは、山際を流れる小川の水路に付着する、山から染み出した鉄分。
それで釉薬を作るとの事。天然もの故、焼き上がりがどうなるかは
わからないらしいので、上手く焼ければ、展覧会でお見せ出来る
ようです。成功を祈り、待ちたいと思います。 お楽しみに。
右画像/白磁長皿のディスプレイ方法を提案してくれる石田さん。

[石田さんの土作り]
左画像/露天風呂(?)ではありません。
粘土槽というもので、ここに、バサバサ
ボソボソの(石田さんの表現では)原土
(讃岐土)に、水を加えて溜めておくのだ
そうです。その後、制作しやすくする為に、
石膏や素焼きの水簸鉢(画像手前に積み
上げられている)に移し、ある程度水分を
とってから、土練りをするとのこと。ここ
から始まる肝心要の作業になりますね。
右画像/その粘土槽の中です。

[大物を作る石田さん]

途中まで作って乾かして
おいたものを大きくしていきます。
土を紐状に撚ります。
大物なので太めです。

それを伸ばしながら
(かなり力が要るよう)
積み上げていきます。
4分の1ぐらいまでは
轆轤でひいてるそうです。

こてで叩きながら土を締め、
形を整えます。こんな形の、
内側を叩いて音を出す、
音色の綺麗な楽器ありますね。

今日は2段積み上げて
おしまい。また乾かして
積み上げ作業をします。
縁は乾きやすいので
カバーしています。

左画像/こちらは磁器の工房です。
南蛮を作っていた上画像の部屋より
かなり広いです。5〜6倍はあるのでは
ないでしょうか。
右画像/その工房にあった電気窯です。
古い物なのか、アンティークに近いと
石田さんは言っておりました。
瀬戸の中島さんから譲り受けたもの
だそうです。(誰でしょう?)

当たり前を当たり前とせずに、暮らし制作している石田さんを、今回の松山巡回で確認致しました。
あらゆるものに、ありがたみを感じて生きているからそうなれるのではないかと、感じております。

一月ほど前から、石田さんのお手伝いを
されている佐々木さん(左)。
やはりやきものを焼いている方。
心のこもったおもてなし、美味しかったです。
,(白菜・さつまいも・じゃがいも入り味噌汁、
梅干、玄米ご飯、自家製ふりかけ、じゃこ天)

画像左/台所に二人で立って、お昼を用意してくださっています。
ネギの切り方が大きくないか?と後方より新人君の指導をする石田さん。
今年も台所には男松がしっかり飾られていた。願はつづく・・・
画像右/(月)は近くの[エキサイティングスーパー]の特売日だそうで、
佐々木さんが買って来た物は、キャベツ2つ、焼きそば、うどん各5玉。
締めて120円なり。な、なんと1つ10円!安すぎる!これはエキサイト
してしまいますね。

[気になる石田邸とその界隈]

石田邸で唯一スタイリッシュなコーナー。石田さんが到頭Macを購入。
目が慣れないらしくサングラスをかけて画面を見ているそうです・・・
笑いました
左画像/猫がのってもだいじょーぶ!キーボードを守る自作カバー。

いい感じのおじさん。
おじさんがもう一人と、カエルも
工房の壁に掛かっていました。

虫御殿の石田邸。
亡骸ですがきれいです。

工房天井に大きなイラスト。
「Don't touch me baby」と
猫は言っております。

画像左/一服する縁台でしょうか。
     体重制限が必要な感じですね。
中画像/昔作った茶碗の様なもの。
     だそうです。そして割れたまま、
     7〜8年放りっぱなしらしい。
     雨風にさらされ、寄せ植えが
     自然に出来上がったみたいです。
     雨上がり、潤う姿が美しかった。
右画像/工房の窓より、勘弁してほしい
     もの発見。薪窯の上にあるのは、
     花粉でしな垂れている杉じゃあり
     ませんか。恐ろしや恐ろしや・・・

[番外]

岡山と香川の間、瀬戸内の海に浮ぶ島、直島に、石田さんを訪ねる前にちょっと寄ってまいり
ました。2つの美術館(今のところ)と島全域に点在する現代美術作品がある島として、ご存知の
方も多いかと思います。贅沢な空間での鑑賞となる美術館の作品も、点在する、直島を意識させ
られる作品群も、島を巡りながら楽しくみられます。 目的地に辿り着く道すがら、目に飛び込ん
でくる島の風景に、心強く惹きつけられ、立ち止まり眺めてしまうことの多かったこと。気が付くと
乗るはずのバスの時刻は過ぎて、1時間半も待つことになったり・・・ 興味が尽きぬ直島でした。

可愛く咲いてます!

いい庭造ってそうな気がします。

軽快な音楽と共にパン屋がやって来ました。
「ちちは無いの?」と尋ねているおばちゃん。
ちち???牛乳と言い直していました。

個性的な塀が多かった直島。

撮っていると「今年は早いのよ」と、
島の人が話しかけてくれる。

忘れられない味になりました。
「安くてごめ〜ん」と言ってお会計をする
気のいいおばちゃんがいた[山本うどん]

サビ具合がよかったです。
時間が止まったような公園。

くっきり!対象的。

「椿坂」と勝手に名付ける。
椿が誘導しています。

タテタテヨコヨコ。きちんと並ぶ、
ガーベーラも効いている。
フラワーロックみたい・・・(古)

静かな海です。
ベネッセハウスミュージアムより。

蛍光色の波打ち際。

こちらは杉ではありません。ミモザです。
あちらこちらで咲いていました。

和洋菓子の[イワタコンフェクト]おすすめ!
銘菓は色々ありますが、干しえびやしらすの
入ったクッキーも美味しかったです。

直島の町花は山つつじだそう。
群生する一帯があるようです。

気になる二脚。

息が切れた・・・
振り向くとご褒美。

3月初旬。桜満開。
開花予想は難しい。

直島から数100m離れた向島の入江。
島民はわずか18人だそうです。
砂浜独り占めで泳げそうですね。

こちらも向島。何これ?だと思いますが、
蓮の花が枯れていることろです。
小さな池にすごい数です。咲いてるところを
想像すると、また訪れたくなります。
観光名所でもなく、普通に人が暮らす中に、
こういう所があるのがすごくいい!

高松 → 直島 小型高速船で。

慌しく滞在した2日間。帰りは、
大型フェリーでのんびり高松に戻り、
その後、丸亀の猪熊弦一郎現代美術館を回って、
愛媛県松山市へと向かうのでした。

画像にはありませんが、直島で驚いた光景の1つに、墓地があります。
どこの墓地のどの墓石の前にも、きれいに花が供えられていました。お彼岸でもないのに。
その光景を以前に見ていた、石田さんから聞いていた話ではありましたが、本当でビックリしたのです。
石田さんが島の方から聞いた話だと、島の人は、お墓も我が家と思い、毎日墓参りをするのだそうです。
息づく豊かな島の暮らしを、このお墓の花に垣間見た気がしました。

いい息抜きとなり、『たのしかったぁ』といつまでも余韻の残る旅になりました。

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2005年に石田さんの工房を訪ねた様子はこちらから
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