H.works shop

2014年12月20日現在

晴れ間がのぞくわずかな時間もありましたが、
小雨が降る中(夕方からは本降りに)、
当店では4度目の、そして約2年ぶりとなる
長谷川奈津さんの個展が始まりました。
窓の外の眺めは残念でしたが、
店内には素晴らしい景色の数々が並びました。

1:なりは小さくとも大きなものに負けない見どころがあります。
 上段の酒器は、右から2番目の松灰釉以外は全て林檎灰釉。
 表情が異なるのは焼き方や土の違いによるもの。
 下段の小壺は左より飴釉、松灰、林檎灰、松灰となります。
2:こちらの酒器には鉄釉や飴釉も加わっています。そして
 粉引の徳利と片口、鉄釉の徳利も。
3:松灰釉6寸鉢(手前3点)。[シルバーがかるモスグリーン]、
 と簡単に言ってしまってはもったいない美しい色合です。
4:今回、様々な蓋物をご用意いただきました。お茶道具を意識
 されて作られたそうですが、どの様にお使いいただいても
 構わないそうです。お砂糖にお塩、七味や辛子に柚子胡椒・・・
5:8〜9寸のお鉢が並びます。手前2つは林檎灰。釉の溶け具合
 により、桜色がほんのりと残るものと残らないものに分かれる
 ようです。その奥は鉄釉と松灰釉のお品です。
6と7:窯から出てきたばかりの最新作です。唐津の
 土を用いた松灰釉のお品。6が片口。7の上段に
 あるのが飯碗。共に土みせ高台。釉が土と馴染み、
 丸みのある形が際立っています。
8:松灰の豆皿や小鉢。林檎灰や粉引の4寸皿など、
 小さ目の器コーナー。棚の小湯呑は、土が唐津の
 松灰釉になります。

9:鉄釉の小壺。欅の蓋をのせた松灰と林檎灰の蓋物。
10:上段には、林檎灰釉碗。石爆ぜや鉄分の表出の多い
 唐津の原土を使ったもの。白濁した釉が模様を描く
 ように流れています。下段の碗は、左より2番目の粉引
 以外は鉄釉となります。手の中のおさまり具合を確かめ
 ながら、それぞれの景色を眺めていただきたいお品。
11:釉と形の異なる飯碗が1点ずつ並びます。様々な手
 に取り組まれている事がわかります。

12:テーブルには口径23〜26cmのお鉢。左より、粉引、林檎灰釉、松灰釉。
 盛り映え良く、お料理の腕もあがったと勘違いさせてくれる
13:上段には、5寸強の林檎灰釉皿と6寸弱の松灰釉皿。下段には7寸強の
 粉引鉢と7寸弱の松灰釉鉢。銘々用、単品用にと出番の多い器となるでしょう。
14:松灰釉と鉄釉のお茶碗。左には、合わせてお使いいただきたい鉄釉の
 振り出しや、松灰釉の蓋物(中蓋もあり)と林檎灰釉の蓋物です。
15:上段には飯碗。(画像11の飯碗ともまた異なるお品) 右から2番目の粉引
 以外は全て林檎灰釉。信楽と唐津の土、そして焼成方法と形の違いがあり、
 様々な林檎灰釉碗となります。下段には粉引丼と、艶ありの鉄釉6寸鉢です。
16:画像ではおわかりいただけないのですが、2点ある鉄釉のお茶碗はとても
 複雑な表情をしています。灯油窯の火を直接うけ溶けた釉で、表面がガサガサ
 に荒れていたものを磨いたものだそうです。

林檎灰釉と鉄釉
(アンスリューム)

鉄釉

林檎灰釉掛け花
(オキナワスズメウリ)

林檎灰釉
(スプレー菊)

林檎灰釉
(赤目柳・小豆柳・千両)

林檎灰釉
(大王松
)

鉄釉
(青もじ・葉ボタン)

今年は壺強化年間だったそうです。その成果が並びました。
どちらも張りのある美しい姿。そして静かに力強くあります。

先日長谷川さんの工房を訪ねた様子
H.works shopページ バックナンバー

*画像は12/20現在のものになりますので、
お品物がすでに無い場合もございます。ご承知下さい。

在店をしていただいた初日、これから陶芸の
道へ進む事を考えていらっしゃる方が3組も
いらっしゃり、相談するように長谷川さんと
お話をされていかれました。親身になった
受け答えをその都度されていた長谷川さん。
頭が下がりました。慕われるのも頷けます。
大きな包容力(人に対してだけではない)と、
有力なものに媚びない強さをいつも感じます。
だから、信頼を寄せる人も多いのです。
器はその姿を映していると言えるでしょう。

10

11

12

13

14

15

16