1:初めてお会いします。砥部で焼物をやっていらっしゃる橋宗孝さん。
 ひと月ほど前から石田さんのお手伝いをされているそうです。
 (40分の自転車通勤) この日初のハットボウル型押しを任されます。
 作業台に道具を揃え、石田さんの指導を待ちます。
2:まずは石田さんが手本を。鉢状にひいた器の見込みに型を落します。
3:それを慎重にひっくり返します。
4:隙間なく型に添うよう丁寧に押さえていきます。注意箇所も伝えて。
5:はみ出した縁の処理をし、再びひっくり返し、型から外します。
6:轆轤の石田さんから、型押しの橋さんへ流れ作業が進みます。

石田誠 器展

2019年3月16日(土)−31(日)
作家在店日:16(土)

*会期中の25(月)・26(火)はお休み

明るく穏やかな空気感を
テーブルにもたらしてくれる器。
年に一度の個展は15回目に。
#1#2#3に続き、#4の新たなお皿を
今展ではお披露目下さるそうです。
どうぞ楽しみにいらして下さい。

愛媛県松山市に工房を構える石田さんを訪ねたのは3月に入ってすぐの事。
市街地から離れ、終点1つ手前でバスを下り、谷合の長閑な道を歩きます。
目に飛び込んできたピンク色に近づけば寒桜。春を見つけて浮かれました。

積み上げられた皿の向うで高台の削り出しをしていた石田さん。
かんなを当てていたお皿は、今回の新作となるリム皿#4です。
リムの幅や角度、フラットな面の広さなど、これまでの#1〜#3も
それぞれに特徴のあるものでしたが、それに加える新たな形とは?
リムに傾斜はあり、幅は広いものの様にこの段階では見えます。
#4を作られた理由を尋ねると、言葉少なに「少しの違いで印象は
変わってくるから」と。微妙な調整をし、既存のものの良さとはまた
異なる、美しい形、バランスのものを作ろうとされているようです。
#4の石膏型は4.5寸〜8.5寸まで5サイズも並んでいました。完成品
を画像にはおさめられませんでしたので、会場で是非ご覧下さい。

午後からは、人気アイテムの1つとなっているハットボウルの制作に
取りかかる石田さん。その様子を見つめる方がいらっしゃいました。

制作途中のお品です。砥部の磁土を使った紅毛手(デルフト)と
白磁になるもの。すり鉢形の5.5寸リムボウル、多様に使えるポット
ボウル、猪口、飯碗。窯詰め完了の中も見せていただきます。
新作リム皿が綺麗に納まっていました。焼き上がりが楽しみです!
南蛮焼締などの土物は、また別棟の工房で制作されています。

こちらは出来上がっていたお品。ホワイト、クリーム、ラベンダー、
グレー、ブルーなどのカラーが揃う紅毛手と白磁。ストーンウェアと
言っているブラウン系の土物も並んでいます。小付、小さな花器、
数字のスタンプをランダムに押した、遊びのあるお皿(DMにも写る)
もございます。そして、南蛮焼締の碗類もご用意いただきます。

左:一昨年ぐらいから、高台の畳付にも施釉をする総釉の器を作られる
 ようになった石田さん。これはその為に必要になった目土。窯の中で、
 釉薬の熔着を防ぐ為、これを器の下(石田さんの場合高台の内側)に
 置いて焼きます。これを作るのも、セットするのも神経を使うようです。 
中:今は見ないデラックスなラジカセ。20歳の時に買ったものだそうです。
 カセットが使えないのは見てわかります。広い工房内には、いつもここ
 からラジオ(南海放送)が流れているようです。
右:ひと月以上咲いているんだとか。南蛮焼締の壺に蝋梅です。

石田誠 いしだまこと

1965年 愛媛県に生まれる
1988年 愛知県瀬戸市に転居
1989年 愛知県立窯業高等技術専門 
       専攻科卒
1996年 愛媛県松山市窪野町に築窯

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焼物のことはもちろん、政治経済からヒップホップミュージックまで。
他愛もないことで笑い、哲学的な深い話(店主わからず)にもなっている工房。
「花を咲かそう」と言うフレーズがある歌はあまりピンとこないと言う石田さん。
人は生まれた時にもう花を咲かせているのだからと。
大きなサイクルで物事を捉えているのだろうと思える言葉でした。

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